新型出生前診断は、胎児の状態をいち早く知る事ができる検査です。
染色体異常があるのかを調べて、異常があるとわかれば中絶を選択できます。
障がいを持つ子どもを育てるとなれば、大人になっても面倒を見続けなければいけないことが多いので、この親である人たちの人生設計が大きく変わります。
新型出生前診断を受けることは、そういった問題を未然に防ぐということでメリットがあるといえますが、別の見方をすれば障がいを持つ子は不要だと殺してしまう事を意味しています。
果たして、親だからといってそのような判断をすることが許されるのかということが新型出生前診断が抱える倫理的な問題です。
この問題は、新型出生前診断の結果を元にした中絶に救われる人と生まれる前に刈り取られた命、どちらの立場から見るかによって答えが変わってきます。
そして国内では医師や障がい者を支える団体などが議論に参加ししており、賛否両論が飛び交っている状態です。
それでも、最終的にこれが正しいという結論はでていません。
ここ数年大きな話題となっているのが、新型出生前診断です。
採血をするだけで結果が分かるため、お腹に針を刺す羊水検査等と違い流産などのリスクが少ないのがメリットとして挙げられます。
ダウン症などの染色体の異常があると、出産の前に把握することが可能です。
精度も高く、手軽で受けやすいと評判です。
希望する妊婦は増加傾向にあり、それだけに問題も増えてきています。
まず新型出生前診断の前には、詳しくカウンセリングをする必要があります。
夫婦で納得をした上で同意書にサインして、検査を受けるという流れです。
10分ほどで採血自体は終わりますが、結果が出るのには2週間程度かかります。
陽性となった妊婦のうち、中絶を決断する人が9割にも及ぶという事実は、命の選別とも言われたくさんの議論が今も続いています。
妊婦が適切なサポートを受けられるように、特に高齢出産などは厳しい条件が定められており、日本国内でも100カ所程度しか受けることはできません。
ただ、無認可で行う病院もあるなど問題は多いです。